リアルミステリー、とは?
「リアルミステリー」とは、ミステリーイベントのジャンルのひとつ、と考えています。
そもそも「ミステリーイベント」とは、硬い言葉で言えば架空の事件(主に刑事事件)の真相を、参加者が見つけ出すイベントの総称、分かりやすく言えば刑事ドラマ・探偵ドラマの主人公を参加者に置き換えたイベントです。つまり、参加者が刑事や探偵になる。そんなイベントです。昨今の「謎解きイベント」との違いは、事件そのものの解決にパズル要素が一切なく、イベント内で与えられた情報から論理的に推理して真相にたどり着く必要があります。
「リアルミステリー」とは、そんなミステリーイベントの中で最も現実的で、刑事ドラマ・探偵ドラマに近いイベントだと考えています。事件は唐突に起き、さっきまで普通に会話していた誰かが事件に巻き込まれます。被害者は参加者の誰か。容疑者は参加者全員。あなたの隣に座っている人が犯人かもしれませんし、他の参加者からしたら貴方が最も怪しい容疑者かもしれません。事件後は実際に現場検証をし、他の参加者に聞き込みをし、推理して真相へ辿り着く必要があります。とはいえ、時間は進みますから状況は刻一刻と変わっていき・・・。ね、ちょっと興味が出てきたでしょう?
(Alius ibiホームページ「About us」より、「What's "Real Mistery"?」本文)
【参考】ミステリーイベントの種類
演劇型(舞台型)ミステリー
「事件が舞台上」&「参加者は事件現場にいない」。「事件現場にいない」とは、参加者が事件があったその空間や時間帯に設定上物理的に居ないことを指しています。舞台上にいる登場人物に直接参加者から語りかけることはできません。また往々にして、必要な情報は演劇で示されるものだけでなく、配布される紙資料にも書かれています。安楽椅子探偵を気取って推理を楽しむことができますが、どんな苦手なジャンルの演出でも演劇に集中するスタンスが必要になります。
展示/提示型ミステリー
「事件は資料としてのみ存在」&「参加者は現場にいる」。事件の証拠や証言をデジタルメディア(音声や画像、映像など)で取得可能なイベントもこの種類に含まれます。提示されている内容は何度でも見返したり聞き返したりすることができるので、何か情報の取りこぼしがあるということは殆どありません(あったとしたら、読み込み・聞き込み・探索不足)。実際に現場検証をしている感覚を楽しめますが、どんなものにせよ証拠品に対する理解力が試されます。
リアルライブ型ミステリー
別名、リアルミステリー。「事件は会場でリアルタイムに発生」&「参加者は事件現場にいる」。リアルタイム進行が最重要事項であるだけでなく、犯人や被害者も会場内から選び出ることが特徴です(ただし、この時の犯人や被害者は役者の仕込み)。実際の事件に突然遭遇する面白さと、容疑者になったり偶々目撃者(証言者)になったりする“スリル”はありますが、イベント時間が長いと徹夜覚悟になります。また、ほぼ絶対的に発生する『見逃し』を他の参加者から情報共有してもらうのか尋問をするのか、コミュニケーション力を試されます。
ARG型ミステリー
「事件は舞台上でリアルタイムに発生」&「参加者は事件現場にいる」。参加者は完全に探偵役として存在するため、リアルライブ型のように容疑者扱いされたり目撃者になったりすることはありません。一番分かりやすいのは、重要参考人がイベント冒頭時点で絞り込まれて提示されます。演劇型との違いは、重要参考人に参加者が直接接することができる点です。安定して探偵の振る舞いをすることができますが、例えば予期せぬして見逃した内容は見逃した人の自己責任となりがちな部分があります。
ロールプレイング型ミステリー
「事件が会場内でリアルタイムに再現される」&「参加者は事件現場にいる」。展示・提示型との違いは、参加者も再現に強制参加であること。リアルライブ型との違いは、事件がリアリティを以てリアルタイムに提供されないこと、言い換えると物語は比較的イベント用の架空のものとして扱われながらロールを果たす点です。総じて“自分ではない誰かを演じる”楽しみを得られること、個別に台本などのロールが配られるので予期せぬ結末を自分だけが知っている面白さがあります。ただし、演じる以上は恥じる心を忘れる必要であり、また、渡された台本に縛られて自由度が制限されるところがあります。